目 次
序 章 黒田家の目薬伝説 編者
黒田一族をはぐくんだ歴史的風土
目薬伝説を考える
零落の一族を救った家伝の目薬
黒田家秘伝の目薬と盲目の妹
渡来文化のなかで
山本勘助と黒田官兵衛~二人の足なえの軍師
足なえの神に奉られた謎の鉄鉱石
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目薬伝説の背景に見え隠れする古代信仰
第一章 戦国時代と眼科医学 奥沢康正
なぜ、尾張は眼科医学の先進地だったのか
眼球鉄症
信仰と医療のあいだ
ヘボン博士の目薬
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鉄の神は眼病の神
播磨の信仰としての一つ目の神
第二章 鉄の地名としての黒田 浦上宏
きわめて個人的な研究
備前黒田氏の系図に書かれた官兵衛の「兄」
地名から探る歴史的風土~鉄の国としての備前
福岡、黒田は鉄地名
刀工と一つ目の神
浦上氏と黒田氏
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近江から備前へ
出雲の黒田は製鉄神の聖地
第三章 兵主神社に祈った官兵衛と秀吉 芝本満
失われた中世史料
黒田庄町に伝わる系図~赤松支族としての黒田氏
兵主神社と官兵衛
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〈兵主〉とは鉄の古語か
〈別所〉も鉄の古語?
第四章 一つ目の神の復活 神崎勝
九州から来た女神
戦国時代に復活した一つ目の神
山を管理する一族
『播磨国風土記』のなかの“黒田一族”
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渡来人、金属文化、古代の豪族黒田別
第五章 戦う鋳物師集団 芥田博司
武家商人の一族
官兵衛からの手紙
埼玉県で見た広峯神社奉納刀
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黒田苗字の鋳物師、鍛冶師、金物商人
第六章 広峯神社と一つ目の神の系譜 宝賀寿男
系図研究から見た広峯氏
黒田と赤松
豪商鴻池の系図~黒田氏の支流としての山中氏
備前国における黒田氏の系譜
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山中鹿介と出雲のタタラ経営者
酒の文化との接点
第七章 鉄のフォークロア 長谷川博美
近江黒田に見える古代製鉄の残照
もうひとつの長者伝説
一つ目のカエルは一つ目の金属神とかかわるか
「黒田節」を聖なる槍の物語として読み解く
バサラ大名は「鉄の王」なのか
ヤマトタケルと官兵衛~足なえの英雄伝説として
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佐々木と金属
終 章 鉄の一族の復活 編者
ほんとうに足なえであったのか
小説で描かれた足なえの官兵衛
秀吉の足なえ、目医者伝説
美濃赤坂の鉄鉱石をめぐる秀吉ゆかりの一族
竹中半兵衛の先祖は鉄の商人か
軍師の条件
福岡城と赤坂山~黒田一族に見える「赤」と「黒」の諸相
一文字派と一つ目の神
目薬伝説は鉄の一族の復活を示唆しているのか
あとがきに代えての補講 目薬の村の記憶 石瀧豊美
福岡藩の目薬はキリシタンの秘伝?
目薬伝説をどう考えるべきか
参考文献
明治初年、江戸時代以前の文献については書名と著者・編者名の紹介にとどめています。
序 章 黒田家の目薬伝説
川上隆史「播磨・広峯神社の御師」(『渡来の民と日本文化』所収。現代書館 二〇〇八)
神栄赳郷『播磨国広峯神社古文書の研究』(発行者神栄赳郷 二〇〇〇)
西脇芳一『広峯神社沿革考』(発行者西脇芳一 一九〇〇)
渡邊大門『黒田官兵衛 作られた軍師像』(講談社 二〇一三)
諏訪勝則『黒田官兵衛 「天下を狙った軍師」の実像』(中央公論新社 二〇一三)
本山一城『秀吉に天下を獲らせた男 黒田官兵衛』(宮帯出版社 二〇一四)
本山一城『黒田軍団 如水・長政と二十四騎の牛角武者たち』(宮帯出版社 二〇〇八)
福本日南『黒田如水』(東亜堂書房 一九一一)
金子堅太郎『黒田如水伝』(博文館 一九一六)
橋本政次『姫路城史』(姫路城史刊行会 一九五二)
横田武子「黒田家先祖探しの旅」(『姫路城主「名家のルーツ」を探る』所収 神戸新聞総合出版センター 二〇一二)
司馬遼太郎『播磨灘物語』(講談社 一九七五)
幸田精久「黒田家の目薬と広峯神社」(『姫路が生んだ戦国の智将 黒田官兵衛』所収 神戸新聞総合出版センター 二〇一四)
笹本正治『軍師山本勘助 語られた英雄像』(新人物往来社 二〇〇六)
貝原益軒『黒田家譜』/『夢幻物語』(福岡県立図書館などに天保六年刊の和本。東大史料編纂所でネット公開)/後白河法皇『梁塵秘抄』
第一章 戦国時代と眼科医学
小口芳久ほか『二〇一四年回国際眼科学会(WOC)特別展 図録資料 The Progress of Japanese Ophthalmological Medical Care』(日本眼科学会 二〇一四 非売品)
奥沢康正、園田真也 共編著『眼科医家人名辞書』(思文閣出版 二〇〇六)
奥沢康正、園田真也「眼科秘伝書から見えてくるもの(一)」(『醫譚』通巻一〇三号 二〇〇七)
奥沢康正『京の民間医療信仰 安産から長寿まで』(思文閣出版 一九九一)
森納『日本盲人史考 視力障害者の歴史と伝承 金属と片眼神』(米子今井書店 一九九三)
柳田国男『一目小僧その他』(小山書店 一九三四)
第二章 鉄の地名としての黒田
浦上宏『地名と人々の営み』(発行者浦上宏 二〇〇九)
浦上宏『備前国邑久郡飯井村 黒田氏』(非売品 一九九一)
岡山市教育委員会『西祖山方前遺跡・西祖橋本(御休幼稚園)遺跡発掘調査報告』(一九九四)
白石昭臣『島根の地名辞典』(ワン・ライン 二〇〇一)
中島庄太郎『備前福岡考』(非売品 一九一三)
備前福岡史跡保存会『備前福岡歴史物語』(二〇〇五)
谷川健一「鉄生産地の地名と伝承」(『谷川健一全集』十五巻所収。冨山房インターナショナル 二〇一一 )
『吉備温故秘録』/『吉備前秘録』/下原重仲『鉄山必用記事』
第三章 兵主神社に祈った官兵衛と秀吉
『黒田庄町史』(旧黒田庄町 一九七二)
『西脇市史』(西脇市 一九八三)
富田八右衛門編『近江伊香郡志(上巻)』(江北図書館 一九五二)
藤原龍雄「播磨古事 解題と翻刻」(『播磨学紀要』十六号所収。播磨学研究所 二〇一二)
勝部直達『播州針 播州釣針協同組合創立50周年記念誌』(播州釣針協同組合 一九八九)
真弓常忠『古代の鉄と神々』(学生社 一九八五)
柴田弘武氏『鉄と俘囚の古代史 蝦夷「征伐」と別所』(彩流社 一九八七)
平野庸修『播磨鑑』/『播磨古事』/『延喜式』
第四章 一つ目の神の復活
神崎勝『講座・播磨風土記(第十五回)天目一箇神─金工神から鍛冶神へ』(妙見山麓遺跡調査会 二〇〇八)
『同(第十九回)播磨国造とその系譜』(同 二〇〇九)
『同(第二十二回)山部の研究』(同 二〇一〇)
神崎勝『加古川流域の古代史 上・中流篇』(妙見山麓遺跡調査会 一九八九)
直木孝次郎ほか『兵庫県史(第一巻)』(兵庫県 一九七四)
谷川健一編『日本の神々 神社と聖地(第二巻)四国・山陽』(白水社 一九八四)
谷川健一『青銅の神の足跡』(集英社 一九七九)
『播磨国風土記』/『日本書紀』/斎部広成『古語拾遺』
第五章 戦う鋳物師集団
堀田浩之「姫路築城と芥田家」(『播磨学講座(二)』所収。神戸新聞総合出版センター 一九九一)
手柄山人(橋本政次)『郷土史話 芥田五郎右衛門』(一九一六)
二〇一四年NHK大河ドラマ特別展図録『軍師官兵衛』(NHK、NHKプロモーション 二〇一四)
武内貞『播磨国鋳物師考 伝承の鞴』(中央出版 一九八〇)
埼玉県歴史と民俗の博物館ホームページ
網野善彦「中世の鉄器生産と流通」(『講座・日本技術の社会史(第五巻)採鉱と冶金』所収。日本評論社 一九八三)
笹本正治「近世の鋳物師と鍛冶」(同)
『三木金物問屋史』(全三木金物卸商協同組合 一九八四)
小西勝治郎『三木金物誌』(三木金物誌刊行会 一九五三)
『芥田文書』/『七十一番職人歌合』
第六章 広峯神社と一つ目の神の系譜
中田憲信『諸系譜』(国立国会図書館所蔵)
鈴木真年『百家系図稿』(静嘉堂文庫所蔵)
太田亮『姓氏家系大辞典』(磯部甲陽堂・国民社 一九四四)
宝賀寿男「黒田如水の先祖と一族」(日本家系図学会会誌『姓氏と家系』七号 二〇一二)
宝賀寿男『古代氏族系譜集成』(古代氏族研究会 一九八六)
宮本又次『人物叢書 鴻池善右衛門』(吉川弘文館 一九五八)
向井義郎「中国山脈の鉄」(『日本産業史大系・中国四国地方編』所収。東京大学出版会 一九六〇)
土佐雅彦「播磨の鉄」(『風土記の考古学(第二巻)』所収。同成社 一九九四)
『寛政重修諸家譜』/『赤松盛衰記(巻之中)』/「蓮華寺過去帳」(『群書類従』所収)/『太平記』/『赤松諸家大系図』ほか関連系図
第七章 鉄のフォークロア
丸山竜平、濱修、喜多貞裕「滋賀県下における製鉄遺跡の諸問題」(『考古学雑誌』72巻2号 一九八六年十一月)
展覧会図録『国友鉄砲鍛冶 その世界』(長浜市立長浜城歴史博物館 一九八五)
尾関章『なぜ「関に」なのか─あるいは、なぜ「九州から」なのか』(関鍛冶刀祖調査会編『関鍛冶の起源をさぐる』所収。関市 一九九五)
若尾五雄『鬼伝説の研究 金工史の視点から』(大和書房 一九八一)
寒川辰清『近江輿地志略』/ 『古事記』/『日本書紀』
終 章 鉄の一族の復活
渡辺世祐『豊太閤の私的生活』(創元社 一九三九)
ネリー・ナウマン『山の神』(言叢社 一九九四)
宝賀寿男+桃山堂『豊臣秀吉の系図学 近江、鉄、渡来人をめぐって』(桃山堂 二〇一四)
濵田浩一郎「戦国期における小寺氏の動向」(皇學館論叢 二〇〇七年六月十日)
神戸新聞編『ひょうご全史 ふるさと7万年の旅(下巻)』( 神戸新聞総合出版センター 二〇〇六)
岡谷繁実『名将言行録』/『古郷物語』/『中興武家諸系図』(宮内庁書陵部所蔵)/天野信景『塩尻(四十一巻)』/『美濃国諸家系譜』